中古住宅はシロアリ被害を受けているかも!購入前のチェックポイント
中古住宅は、購入する前にシロアリの被害を受けていないか確認しておくことが大切になります。中古住宅の場合は、見た目には特に異常がなくても床下などがシロアリによって深刻な侵食被害を受けていることがあるからです。また中古住宅の購入を検討する場合は、契約不適合責任に基づいた追完請求や損害賠償請求についても知っておくことが必要になります。
こちらのコラムでは、中古住宅購入でシロアリチェックをしておくべきポイントや売主に修理や減額、損害賠償を追及できる契約不適合責任などについて解説します。またシロアリが発生した場合の駆除業者の選び方についてもふれていますので、これから中古住宅の購入をお考えのかたは、ぜひ参考にしてみてください。
中古住宅の購入前にチェックしておくべきこと
中古住宅は新築物件よりも安いため、魅力を感じるかたが多いでしょう。ただし中古住宅の購入する場合は、シロアリ被害を受けていないか事前にチェックしておくことが必要です。とくに、築年数の古い木造住宅の場合は注意すべきといえます。
購入前のチェックをおこたってしまうと、入居してから短期間でシロアリ被害が発覚して購入を後悔してしまうかもしれません。また、シロアリを寄せつけてしまうような環境になっていないかチェックすることも大切です。屋内や屋外には、それぞれ購入前にチェックしておくべきポイントがあるので、ここでしっかり押さえておいてください。
屋内のチェックポイント
まずは、屋内のチェックポイントを見ていきましょう。症状によっては、すでにシロアリ被害を受けている可能性があるので、それぞれ細かくチェックするようにしてください。
〇天井
天井にシミがある場合は、雨漏りしている可能性があります。雨漏りしていると、柱や壁の木材の湿度が高くなってしまい、シロアリに狙われやすくなるので注意が必要です。また雨漏りや水漏れは、シロアリの侵食が原因で発生する場合もあるのです。ほかにも、ねずみなどが巣を作っていると、排せつ物などによりシミが発生することがあります。
〇床
床を歩いてみて、へこんでいたり沈んだりするような場所がないかを確かめましょう。日本に生息しているイエシロアリやヤマトシロアリは土壌性で、基本的に地面から床下に侵入して侵食してきます。
このため、床下でシロアリの侵食がある場合は、床が沈んだりやわらかくなっていたりすることがあるのです。特にトイレや風呂場など水周りに近い場所は注意しなくてはいけません。
〇壁や柱
壁や柱を叩いてみましょう。もしシロアリの侵食を受けている場合は、柱などが空洞になるため軽い音がする部分が出てきます。とくに柱がシロアリの侵食を受けている場合は、住宅全体が傾くなど強度にも影響してくるため、入念にチェックする必要があります。
〇カビ臭くないか
もし部屋などがカビ臭いと感じる場合は、壁の奥や床下などに湿気がたまっている場所があるかもしれません。特に柱などに硬い木材が使用されている場合、シロアリは木を湿らせながら侵食を続けていくため、カビが発生しやすくなるのです。
〇シロアリ駆除の施工跡はないか
一度シロアリの被害を受けた場所は、再発するおそれが高くなります。たとえば、柱や壁に穴を開けて薬剤を注入する木部処理をした場合は、浸透させるために木栓でふさぐことがあります。このため、柱や壁に木栓があるなど過去にシロアリ駆除をした痕跡が残っていれば、被害が再発するリスクがあるのです。
また施工跡が残っている場合は、その工事がいつごろおこなわれたもので、どんな施工がおこなわれたのかも確認しておくようにしましょう。なぜならシロアリ駆除で使用される薬剤の効果は、5年前後とされているからです。もし5年以上経過している場合には、薬剤の効果がすでに切れている可能性があります。
家の周りも確認しておこう
家の中のチェックが終わったら、周辺も確認しておきましょう。特に庭先や住宅周りは、シロアリを寄せつけるような環境になっていないか細かくチェックすることが大切です。
〇通気口
プランターや植栽などが基礎の通気口をふさいでいると、床下の空気の流れが悪くなり、湿度が高くなることでシロアリが寄りつきやすくなります。このため通気口には物を置かず、雑草などが生えている場合は取り除いておくようにしましょう。
〇庭
庭には、木材が原料となっているものが多いため、シロアリの餌となるようなものはできるだけ置かないことが大切です。たとえば、以下のようなものには注意が必要です。
・ダンボールなどが放置してあり、さらに雨にさらされている廃材などはないか
・ウッドデッキ・枕木・ウッドチップなど木製品を使用している場所はないか
もし、新しく木製品を庭に置きたいということであれば、加圧注入などで防腐や防蟻の処理がされたものを選ぶようにしましょう。シロアリ被害を受けないようにするには、シロアリが住みにくい環境を作ることがポイントのひとつです。
〇外壁
シロアリは乾燥や日光が苦手なので、土で作った蟻道(ぎどう)と呼ばれるトンネルを移動する習性があります。もし基礎の外壁などに蟻道がある場合は、シロアリ被害を受けている可能性があります。
ただし、蟻道は家を加害しない黒アリが作ることもあるため、素人には判断しにくいこともあるでしょう。もし蟻道を見つけたものの判断に迷う場合は、シロアリ駆除の業者に調査を依頼してみるとよいでしょう。
不安な場合は住宅診断やシロアリ点検を依頼しよう
自分でシロアリチェックしてみて不安を感じる場合は、専門家に調査をしてもらうのもおすすめです。住宅診断は「ホームインスペクション」ともいわれますが、専門におこなっている業者であれば、自分でするよりも正確に診断をしてくれるはずです。
またシロアリの駆除や防除をおこなうプロの業者に、点検調査を依頼してみるのも方法のひとつです。駆除経験の豊富なプロの業者であれば、シロアリの生態などを知り尽くしており、床下や天井裏などに潜り込んで徹底的に調査してくれるでしょう。
売買契約の内容も把握しておくべき
中古住宅におけるシロアリ被害は、契約不適合責任の対象になり得ます。契約不適合責任とは、売買した土地や建物に契約内容に合っていない場合に、売主や請負人が買主に対して責任を負うことをいいます。特に中古住宅を購入するときは、契約不適合責任を問える期間を把握しておくべきです。
契約不適合責任は期間が定められていることが多い
民法上では、買主は引き渡された住宅の種類、品質、数量などが契約内容と合っていない場合に、売主に契約不適合責任を追及することができます。買主が不適合を知ってから1年以内に売主に通知すれば5年以内に対応を受ける権利を保全することができます。
ただし、中古住宅の契約時には、買主が売主に契約不適合責任請求ができる一定の期間を設けているケースがほとんどです。引渡時にすでにシロアリが発生していて、契約不適合責任を追及できる期間内に売主に通知しなくてはいけません。
たとえば、契約不適合責任を追及できる期間を過ぎたあとにシロアリが発生した場合は、駆除や防除の費用は買主負担になります。売主が契約不適合責任を負う期間は、引き渡しから2~3ヶ月であることが一般的ですが任意で契約書で定めることができます。
また売主が宅建業者の場合は、宅地建物取引法により2年以上の契約不適合責任が義務づけられています。
そして契約不適合に該当する不具合には、シロアリ被害のほかに雨漏り・腐食・配管の故障・漏水なども含まれます。中古住宅の購入前はもちろんのこと、購入後も期間があるからと安心せずに、不具合がないか細かくチェックするようにしましょう。
もし購入後にシロアリが発生してしまったら
購入した家の周辺や屋内にシロアリが発生した場合は、契約不適合責任を追及して補修や損害賠償を請求できるかにかかわらず、できるだけ早いうちに駆除や防除をしなくてはいけません。
さきほども解説したように、シロアリは床下や壁の中などに生息し家を加害し続けます。しかし知識のない素人では、駆除はもちろん床下などに潜り込んで被害の度合いを確認することは困難なはずです。
また、ひとつの巣に生息しているシロアリは、数万匹から多い場合では100万匹を超えることもあるといわれています。またシロアリは気温によって休止することはあるものの、温度環境によっては1年中活動を続けるのです。
さらに、加害を続けられれば家の耐震強度が低くなり、倒壊すれば命の危険があるということも知っておかなくてはいけません。
シロアリの放置は、何よりも危険です。より深刻な被害につながる前に、できるだけ早く業者に依頼をして駆除してもらいましょう。そして、業者に依頼する場合にも注意すべきことがあります。
駆除業者の選び方もチェックしておくべきことがある
購入した住宅がシロアリ被害を受けて業者に駆除を依頼する場合は、なるべく費用をかけずに安く抑えたいものです。しかしシロアリ駆除にかかる料金は、同じ施工内容であっても業者によって異なります。このため、業者を上手に選ぶことも覚えておく必要があるのです。ここでは、業者選びに失敗しないためのポイントについて解説します。
かかる費用が明瞭かどうか
業者に駆除を依頼した場合、料金のおもな基準となるのは「被害の規模」「施工の方法」「建物の構造」などです。こうした費用の内訳を知るためには、施工を依頼する前に必ず見積りを出してもらうことが大切です。
また業者によっては、見積り自体に費用がかかることもあるので注意しましょう。この場合、高い施工費用を提示されて断ったとしても、見積り料金だけ支払い結果的に損をしてしまう可能性があります。見積りを出してもらったあとは、合計金額ではなく不明瞭な数字がないかを確認して疑問に思うことや不安な点がある場合は、施工前に解決しておくべきです。
誠実に対応してくれる業者であれば、ていねいに説明をしてくれるでしょう。トラブルを避けるためにも、見積り後のキャンセルが可能かということや追加料金の請求はないかなども確認しておいてください。
業者のリサーチもしておくべき
シロアリ駆除を依頼する前には、業者についての情報を集めておくことも大切です。業者のことを調べずに施工を依頼すると、手抜き工事をされてしまう可能性もないとはいいきれません。とくにシロアリ駆除は施工後に自分で確認が困難ですので、できるだけ信頼のおける業者に依頼するようにしたいものです。
安心して任せられる業者を見つけるには、ホームページなどでこれまでの実績や、実際に利用した人の口コミなどを参考にするのもよいでしょう。またシロアリ駆除には、「シロアリ防除施工士」という民間資格も存在します。資格の保有は、専門的な知識をもっていることの証明になるため判断基準のひとつになるはずです。
保証期間の長さや内容も把握しておく
業者に施工を依頼するときは、保証がついているかも確認しておきましょう。一般的にベイト工法なら1~5年、バリア工法であれば5年といったように施工方法でも期間の長さが異なることがあります。業者の施工に保証がついていれば、施工後にシロアリが再発しても保証期間内なら無償や割引いた価格で再施工をしてもらえるでしょう。
また保証内容には、「再施工保証」と「修繕費用の補償」があります。補償を受けるためには一定の条件が設けられていることもあるので、詳細の内容を把握しておくことも大切です。
複数の業者を比較したうえで依頼しよう
シロアリ駆除を依頼するときは、複数の業者を比較することがポイントです。安易に依頼先を決めてしまうと、あとから低価格で施工してもらえるほかの業者の存在を知った場合に後悔することになります。
また複数の業者を比較すれば、料金の相場も把握しやすくなるはずです。かかる費用や施工品質などを比較してみて、失敗のない業者選びをしましょう。
まずは点検調査をしてもらおう
シロアリは壁の中や床下を侵食するため、どれくらいの被害を受けているかは素人にはわかりにくいものです。また中古住宅は、シロアリだけでなくゴキブリやねずみなど、ほかの害虫や害獣がいることもあるのです。駆除はもちろん大切ですが、こうした害虫や害獣に侵入されないように予防対策しておくことも重要です。
多くの業者では、見積りや点検調査を無料で実施してくれます。安心して長く住めるようにするためにも、一度プロの業者に点検調査を依頼してみてはいかがでしょうか。
弊社では、無料で現地調査や見積りを出してくれるシロアリ駆除業者をご紹介しております。日本全国に数多くの加盟店をもち、24時間365日受付対応できる体制も整っていますので、まずは無料の相談窓口よりお気軽にお問合せください。
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